MENU

DEEPFIELDからのお知らせ

ホルムズ海峡封鎖で、日本の不動産はどうなるのか?

2026.04.28

ホルムズ海峡封鎖で、日本の不動産はどうなるのか?

ホルムズ海峡封鎖で、日本の不動産はどうなるのか?

―― 過去の危機から学ぶ「見えないリスク」と現場が見る「本当のチャンス」

 

 

こんにちは。ディープフィールドの池田です。

最近、中東情勢のニュースを目にする機会が増えています。
「ホルムズ海峡の緊張」という言葉も、以前より頻繁に報道されるようになりました。

多くの方にとって、これは「遠い国の地政学リスク」として映るかもしれません。
しかし、不動産の現場に携わる立場から見ると、この問題は決して対岸の火事ではありません。

今回は、「もしホルムズ海峡が封鎖された場合、日本の不動産市場にどのような影響が及ぶのか」 を、

過去の危機事例のデータを交えながら、できる限り客観的に整理してみます。


■ まず「ホルムズ海峡封鎖」とは何か

 

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾をつなぐ幅約54kmの水路です。
世界の海上原油輸送量の約20〜21%(日量約1,700万バレル)がここを通過しており、エネルギー供給の大動脈と呼ばれています。

日本にとっては特に重要で、輸入原油の約88%(2023年時点)がこのルートに依存しています。中東依存度の高さは、主要先進国の中でも際立っています。

過去にも緊張が高まった局面は何度かありました。

  • 1980年代:イラン・イラク戦争(タンカー攻撃が相次いだ「タンカー戦争」期)
  • 2012年:イランによる封鎖示唆(核開発問題をめぐる制裁への対抗措置として)
  • 2019年:ホルムズ海峡でのタンカー攻撃事件

いずれも「完全封鎖」には至りませんでしたが、緊張が高まるだけで原油価格は大きく動きました。


■ 過去の「エネルギー危機」は不動産に何をしたか

仮定の議論に入る前に、過去の事例を振り返っておきましょう。

▶ 1973年・第一次オイルショック

1973年10月、中東の産油国がOAPEC(アラブ石油輸出国機構)による石油輸出禁止を発動。
原油価格は約4倍に急騰しました。

日本では物価が急上昇し、建築資材の価格も跳ね上がりました。その結果、新築マンション・戸建ての価格は1974〜1975年にかけて大幅に上昇。一方で金利上昇・景気後退が重なり、不動産市場は「価格は上がるが取引が停滞する」という特異な状態に陥りました。

▶ 2022年・ロシアのウクライナ侵攻

エネルギー供給が地政学リスクで揺れた最近の事例がこれです。

  • 天然ガス・原油価格が急騰
  • 鉄鋼・セメント・木材の価格が軒並み上昇
  • 国土交通省の建設工事費デフレーター(建設コスト指数)は2021年比で約15〜20%上昇

その結果、新築分譲マンションの価格は首都圏で2021年→2023年の2年間で約15〜20%上昇(不動産経済研究所データ)。

供給数は減少し、中古市場への需要シフトが加速しました。


■ ホルムズ海峡が封鎖されたら、不動産現場はどう動くか

過去の事例を踏まえた上で、以下の5つの観点から整理します。


① 建築コストの急騰 ――「新築」に直撃する最初の波

最初に影響が出るのは建築コストです。

原油価格の上昇は、製造・輸送のあらゆるプロセスに波及します。

建材 影響の主な経路
セメント・コンクリート 製造時のエネルギーコスト増
鉄鋼 製造コスト+輸送コスト増
木材(輸入材) 輸送コスト増・為替圧力
アルミ・ガラス 製造エネルギーコスト増

2022年のウクライナ危機では、鉄筋価格が約30〜40%上昇した局面もありました。

ホルムズ封鎖が長期化すれば、同等かそれ以上の影響が出ることは十分考えられます。

結論:新築価格は短期間で上昇圧力がかかる


② 開発の停滞 → 新規供給の減少

コストが急騰すると、デベロッパーの意思決定は慎重になります。

  • 採算ラインの再計算
  • 着工・販売時期の先送り
  • 一部プロジェクトの中止・凍結

実際、2022〜2023年においても、首都圏の新築マンション供給数は2021年比でおよそ10〜15%減少しました(不動産経済研究所)。

供給が減れば、需給バランスが崩れ、既存物件・中古物件の相対的な価値が高まります。

結論:既存・中古物件の希少価値が上昇する可能性がある


③ 金利上昇リスク ――「見落とされがちな」最重要変数

エネルギー価格の上昇はインフレを引き起こします。インフレが続けば、

日本銀行は金融政策をさらに正常化(金利引き上げ)する方向に動く可能性があります。

2024年以降、日銀はすでに政策金利の引き上げに着手しており、変動金利型住宅ローンへの

影響は現実のものになっています。ホルムズ封鎖によるエネルギーインフレは、

この流れをさらに加速させるシナリオとして否定できません。

不動産投資・購入において、金利は利回りや返済額に直結する最重要変数です。

金利が上がると… 不動産への影響
借入コスト増加 毎月の返済額が増える
利回り圧縮 投資妙味が低下する
購買力の低下 実需の取引が鈍化する

「新築価格上昇」と「金利上昇による下落圧力」が同時に存在する複雑な局面になることが予想されます。


④ 賃貸市場への影響 ――家賃より先に「生活コスト」が変わる

エネルギー価格の上昇は、賃借人の生活コストにも直接響きます。

  • 電気・ガス代の上昇
  • 食料品価格の上昇(輸送コスト転嫁)
  • 交通費の上昇

可処分所得が目減りすれば、家賃への支払い余力も下がります。特に影響が出やすいのは次のセグメントです。

  • 郊外ファミリー物件(収入に占める生活費の割合が高い層)
  • 低価格帯・低属性向け物件

一方、都心の高属性層・外資系企業・インバウンド需要に支えられたエリアは相対的に影響が限定的になる可能性があります。


⑤ 「都心・駅近・RC」への資金集中 ――二極化の加速

過去の不確実性が高まる局面では、必ずと言っていいほど「安全資産への集中」が起きます。

不動産においては、それが「強いエリアへの選別」として現れます。

資金が集まりやすい物件の特徴:

  • 港区・千代田区・渋谷区などの都心一等地
  • 駅徒歩5分以内・RC(鉄筋コンクリート)造・築浅

影響を受けやすい物件の特徴:

  • 郊外・地方の人口減少エリア
  • 木造・築古・駅遠

「弱いエリアはさらに弱く、強いエリアはさらに強く」という二極化が、こうした局面で一気に進む傾向があります。


■ まとめ:不動産は「一律」には動かない

結論をシンプルに整理すると、以下のようになります。

物件タイプ 想定される方向性
新築(全般) 建築コスト増により価格上昇
中古・立地良好 価格維持〜上昇
中古・郊外・弱立地 下落圧力
投資物件(高属性エリア) 一定の底堅さ
投資物件(低属性エリア) 空室率上昇リスク

重要なのは、「何を、どこで、どのタイミングで持っているか」という物件選定力です。


■ こういう局面こそ「情報の非対称性」が価値を持つ

不確実性が高い局面では、市場参加者の数が減ります。
情報が歪み、売り急ぎが出やすくなり、表に出にくい物件が動き始めます。

こうした環境では、良質な情報と判断基準を持つプレイヤーが圧倒的に有利になります。

「今の市況でどう動くべきか」「表に出ていない物件情報を知りたい」という方は、

ぜひ一度ご相談ください。当社から無理な売り込みは一切いたしませんので、

まずは情報交換の場としてお気軽にご連絡いただければと思います。

関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。

Contact

ビジネス・会社に関する
お問い合わせ

採用に関するお問い合わせ

PAGETOP